「さくら」を待つ間に
こうやってこの10年間、さくらに乗り、格安✈に乗り、親の元に介護で往復してきた。
そろそろ疲れたな、という感じがある。
大きなスーツケースを持ち、新大阪駅でさくらを待っていたら、年配の御夫婦が後ろに並ばれた。
例によって、話が始まった。
「どちらから?」「どちらまで?」
この御夫婦は、東京から鹿児島まで、お城巡りをしているという。
聞けば、最後まで自宅で介護した親御さんは、今はもうなく、こうして二人で好きなところに旅行三昧だと言う。
介護したのは御主人のお母様で、
「それは大変でしたでしょう‼」
とかえすと、
「とても楽しかった‼」とおっしゃるのにびっくりした。
その一端を示せば、トイレに行くのをいやがられたら、トイレまでのところどころに、お母様の好きな花を並べておくのだそうだ。
花を見ながら、いつの間にかトイレまでいざなうという趣向。
姑の世話をする嫁の話としては、最近珍しいな、と思う。
さくらの車内に入ると、残念ながら御夫婦は、グリーン車であった。
もっと面白いお話しが聞きたかったが…゚