古いレコードの中から
夫が捨てると言った100枚以上もある古いレコードを、新聞広告で見て買った安いレコードプレーヤーで鳴らしていると、下のようなものが出現。
(註:安いプレーヤーでも音は決して悪くない。レコードの質が悪いとやはり悪い。例えば、カラヤンのものとかはそん色ない)
1968年、ニューヨークで出された、これは確かTAKEMITSUの有名な曲のはず。
(註:1967年、小澤指揮、ニューヨークフィルで有名になったとか。小澤は1969年までトロントの首席指揮者)
シンプソンズの袋に入ったままというのが、いかにも多くを語っている。
ネットで調べると、Simpsonsはロンドンの百貨店らしい。
レコードが入っていた黄土色の波のような模様のある百貨店の袋が、ヴィンテージということで、オークションにかけられていたのには驚いた。
50年前の百貨店のただの袋が3800円ほどするとは!!
本体は、思ったほど上がってはいなかった。多分、大量に制作されたのだろう。
武満徹は苦手だが、これはすごい!
琵琶と尺八がすごい! ピアノもすごい!
これを指揮する小澤もすごい!
MESSIAENというわけのわからない曲も入っていて表裏の2枚組。こんなの、1か月に1回聴いたら、ほかに何もいらないくらいの充実感です。
悲しいわけじゃないのに、鼻の奥から熱いものが沸き上がって来た。
琵琶は、KINSHI TSURUTA(鶴田錦史)。
つるたきんし
(1911―1995)
尺八は、KATSUYA YOKOYAMA(横山勝也)1934年生まれ。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A8%AA%E5%B1%B1%E5%8B%9D%E4%B9%9F
今はみんなCD化されているからいらない、と言った持ち主はこれをちゃんと聴いたのだろうか。
ロンドンの百貨店で、自分で買ったとも思えず。
もしかして、親友だったK・Kさんから貰ったのではないのだろうか。
K・Kさんは、学生時代から音楽評論家を目指していたクラシック音楽の通だった。
夫の一番の親友だったが、50代の、評論を少しずつ書き始めたころ、志半ばで逝かれた。
K・Kさんの遺品のレコードや解説書や冊子類は、ある大学に寄付されたくらい、多かった。