どう考えても間違っている、と思うこと
孫は来年小学生になる。ランドセルは買ってあげる、と告げてあった。
まだ来年の事だと思っていたら、今年の5月頃から予約しないと残り物になると、孫の母親が言う。
ちょっと待って、来年の4月が入学だよね。
それを、一年早い5月にもう予約?
解せない。
先日百貨店のランドセル売り場の横を偶然通りかかったので、入ってみた。
え? 10万円?
7歳の子のカバンが10万円?
こっちのはディスカウントで7万円です、と店員が言う。
どう違うの? と聞けば、デザインが古いんです、と言う。
しかも、重い。大きい。こんなのを7歳の子が背負って毎日学校に行くのか……。
それよりか、うちの大黒柱の仕事用のカバンは2万円台じゃないか!
それも、迷って迷って、1週間くらい考えて、革の手触りの良いアタッシュケース型のカバンを今年でもう10年以上持っている。
毎日お仕事に行ってくださり、生活費を稼いでくださるカバン。
持ち手のところがほつれたら、修理に出してそれを誇りに思って使っているカバン。
66年生きてきたこの私でも、39000円以上のバッグを持ったことはない。
30年は平気でもつ。
それに比べて、小学生のランドセルがなぜ10万円もせねばならない!
デザインが古いから7万円にしておきます、ですと?
「皆さん、大体夏休みに予約にいらっしゃいます。そして、出来上がるのが12月ころです」だって!
オーダーメード?
馬革か牛革か知らないが、こんなかばんを持つと、勉強ができるようになるのか?
これも、私のようなバカな祖父母がいるからですよ。
孫のためなら、自分の生活費を削ってでもエエカッコしましょ。
よそのお子さんと同じものじゃないとイジメラレル…?
どう考えても間違っている。
幼い子のランドセルを10万円で売る会社が間違っている。
この値段なら、6年間、何が起きても修理保証するくらいでないといけない。
身体の大きさに合わせて、毎年無料で調節するくらいのサービスがないといけない。
交通事故の保険も無料でつけるくらいの心意気がないといけない。
これを許す社会は、大人の価値観をそのまま真似しているからいうことか。
このへんを、体よく企業に利用されているのではないか。
若い…若くなくても、ブランド好きの女たちが、機能的にはそこまでの価値はないのに、ブランド、というだけで10万、30万、平気で出すから(顔や服との釣り合いが取れていない方々もあったりして)、その流れで、わが子のランドセルが10万してもさして不思議と思わないのではなかろうか。
ランドセル論争は20年前からあったことを思い出す。
ちっとも変っていないのだな。
どうしたものか、と今試案中だ。
納得できるランドセルがどこかにあるのではないかと。
きっと、同じように感じる常識ある大人は沢山いて、ひそかに上等の、機能的に優れた、しかも軽くて丈夫なランドセルを売っているお店がどこかにあるのではないかと。
もしかすると、それは海外の品だったりして。