ハンブルク交響楽団 7月3日夜7時
クラシックはしばらくぶりだったし、良い席も取れていたので、大変楽しみにしていた。
いつもの通り、吉村で蕎麦を食し、その後ゆっくりと京都コンサートホールに入る。
ちなみに、コンサートホールの近くにある蕎麦の吉村は、そこそこの値段で蕎麦はおいしいし、接客態度も訓練されておりとても良い。今宵は、夫婦共にざる蕎麦大盛り。
指揮者はシュテファン・ザンデルリンクという方。写真では40歳代に見えたが、登場された姿は???の感じ。前半は日本人へのサービスのつもりなのか、ベートーベンの「エグモント」と第5番「運命」。音を聴いて、え? と耳を疑う。
ぎこちない。団員は真剣に楽譜を目で追い、楽譜通りに弾いています、といった感じ。疲れも見える。
このコンサートは、BIG3 と銘打った三大交響楽団(ロイヤル・コンセルトヘボウ、ニューヨーク・フィルハーモニック)をまとめて販売するシリーズものの贅沢なもの。S席を3回まとめて51000円。わが家には大変贅沢だけど、旅行に行ったつもりで楽しみを買いました。ハンブルク交響楽団はこれの1回目だった。だから、特別な期待があった。だからこそ、前半の音には、疑問符。
こんなところに来る人々の多くは、「運命」は色々な指揮者で何回も聞いている人が多いのに違いない。コンサートの予定を見てみると、6月末に来日して以来、ほぼ毎日日本のどこかで演奏していた。
岩手から始まり、青森、山口、京都、そしてさらに関東へ移動し、再び福岡、鹿児島と、毎日入っており休む暇もない。移動日、というのもない感じ。
でも、後半はブラームスとなり、これは慣れた調子で楽団員もノリノリで美しいハーモニーを聴かせて下さった。そして、鳴りやまぬアンコ―ル拍手に応えて、用意していたらしい軽妙な曲を楽し気に演奏された。
最も嬉しかったのは、この夜、よく眠れ体のコリまで取れたことだ。
どこかで読んだ記憶があるのだが、音楽は言葉とは異なる脳を使うので、
思考を停止するとか。だから、独裁者などが大衆を思い通りに操るには、音楽を使うのが良いそうだ。
私の場合、普段言葉の部分ばかり使っているので、コンサートが良い脳の休息になったのだと思われる。
海外のシンフォニーと日本の違いは、金管楽器にあるように思う。ホルンとか、トランペットとかトロンボーンとかバスーンとかの音が、素人の耳にも海外のものは澄み切っており安心して聴ける。こんな音だったのか、と思うことも多い。