KLの中心 KL.CC とヒジャブ女性
有名なツインタワーもここにある。
ホテルの窓から撮った夜のツインタワー。
ここまでは二人でバスと電車を乗り継ぎ、早めにホテルに入った。
彼女が会員なので、会員専用のルームで、軽食やドリンクを食べ放題。
これだと夕食の予約をしていなくても何の不自由もない。
チェックインの時、ふと視線を感じて目を向けると、真っ黒のニカーブというのをかぶって眼だけを出した女性の視線とぶつかった。こちらと眼が合うと、眼だけが動いてさっとよそを向かれたが、その鋭さといい、やはり不気味だった。
マレーの人々は、髪だけ隠して顔は出している女性が多く、これはヒジャブと云っていた。彼女たちは明るく全然くったくがない。
このように黒づくめの人々は、ネットの情報によると、イエメンとかの国の女性だそうだ。このように、ヒジャブとか、ニカーブとかの装いをしていることを、ブルカ(間違っているかもしれない)というのだとか。
ヒジャブ女性に逆恨みしたくなる事件が起きたのは、帰りの飛行機に乗ろうとする直前。ゲートを入ろうとするところにも、ここKL空港では透視カメラが設けてあった。出国検査なのに、透視カメラだけで2回、税関の顔認証も入れると、都合4回も検査があった。
もう後は飛行機に乗るだけ、と思っていたら、普通チケットを見せるだけで済むゲート入り口で、透視カメラが入った。係員は、ヒジャブを被った美人係員だった。
私の手提げバッグがまさにトンネルの中に入ったとき、彼女に電話が入った。しばらく電話で話をしていたが、あろうことか、私のバッグを指さして
「シザーズ、シザーズ」
と言う。と同時に、近くにいた男が私の肩をグイと持って自分の方に向けた。何らやましい所のない私は、「何よ!」という顔でその男をにらみつけると、パッと表情を変えて手を離し、ノーマインドというしぐさをした。要するに、私は過激派か何かの女活動家に間違われたわけです。こんなに小柄で穏やかな顔をしているのに。
もしかすると化粧ポーチにでも入っていたかしら、と開けてみたが見えない。底をかき混ぜるとパッチン式の小さな裁縫道具入れが出てきた。開けると、果たして、小さな糸切りはさみが!
ヒジャブ美人は糸切りハサミを親指と人差し指でつまみ上げると、あっという間もなく、透き通ったくじ引きの箱様の中にポトンと落とした。
「あっ、もったいない!」「こんな小さなもので何ができるというのかね! 裁縫道具だよ。見ればわかりそうなもんだ!こんな常識も通じないのかね」頭の中ではムラムラと怒りが湧いた。
もしこれが、ニカーブをかぶった人だったらどうだったろう。それにしても、入国は比較的簡単にいったのに、出国がこうだとは。9月30日からイスラム教シーア派の記念行事があるとは、旅デジで配信していたが。